お仏壇をご購入されるお客様は、お葬式後の場合が多いです。
ご不幸事があった後に私と接します。
つまり、お客様は悲しみの真っ只中にいるということ。
たとえ元気に振る舞われていても、どんな精神状態のお客様でも、悲しみの真っ只中におられるということを胆に銘じて接しています。
どんな職業でも同じだと思いますが、
悲しみのお客様と接する時は、言葉は悪いですが、
真剣勝負だと思っています。
1対1
生半可な気持ちではダメだと思っています。
いち仏壇屋ですが、こんな私とほんのひと時でもお話して、悲しみの真っ只中におられるお客様の心が少しでも和んでいただければ良いなぁと思っています。
仏壇納品後も、お客様の心の状態が平常になるまで、
付かず離れずサポートします。
当事者でしかわからないこと、いっぱいあります。
とって変わることもできません。
でも、ほんの一握りでも、
悲しい気持ちを受け止めることができたらと思っています。
お客様との対話力・仏教の勉強・懐の深さを向上させること、また負の感情に自分自身が負けてしまわないよう、心身鍛錬の必要性を痛感しました。
そこで、『山伏』の修行をいたしました。
山伏は六根清浄(ろっこんしょうじょう)と唱えながら山に登ります。
六根とは、般若心経にも出てくる
眼・耳・鼻・舌・身・意のことです。
昔から山に登るということは、汚れた俗世間から離れ、清浄なる山の神々や大自然と対話し、融合することを意味します。
山の神々に触れ、大自然を自らの身体に取り込みながら、日常生活の中で汚れた六根を、徐々に清浄な六根に近づけるように願いを込めて「六根清浄」と繰り返し唱えながら一歩一歩登ります。
そうすることで、心身および自分の懐を鍛えています。
大阪市生まれ。サラリーマン勤務を経て、平成8年3月に家業で昭和6年創業の仏壇・仏具『浜垣法眞堂』に入社。平成22年より父の後を受け、代表に就任。平成24年11月に現在地の阿倍野区に移転。